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歯科金属アレルギーについて

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矯正治療における歯科金属アレルギーについて

歯科金属アレルギーは歯科治療に使用される金属によって引き起こされるアレルギー症状です。

一般的にはピアスなら耳たぶの周辺など、金属が直接接触している部分に発赤などの症状が見られるのですが、歯科金属アレルギーは金属が直接接している口腔内よりもむしろ離れた部位に症状が現れることが多いのが特徴です。これは口腔内から微量の金属が粘膜を通して吸収され血管を通って全身に運ばれていると考えられています。症状はアトピー性皮膚炎(湿疹、かゆみ)が全体の2/3を占め、他に口内炎などの症状もみられます。

 

統計学的な調査が行われたとの報告を見たことがないので、発症率をお話しすることができないのですが、経験をお話しさせていただくと20年矯正治療に携わってきたなかで1名の患者様に金属アレルギー症状が現れました。私だけが偶然頻度が少なかった可能性もありますが、それほど頻繁に出現する症状ではないといってよいと思います。ピアスなどでかぶれるような患者様であっても矯正治療に使用する金属材料でアレルギー症状が生じる患者様はとても少ないように感じています。

 

なお、この患者様の経過は、治療を開始して約2週間後に口唇周辺部位に湿疹が発症したため金属アレルギーを疑い、アレルギー反応を引き起こしやすいニッケルを含有していた矯正用ワイヤーを口腔内から撤去しました。

撤去後、1か月ほどで症状が消失したためニッケルに反応した可能性が高いと判断しニッケルチタン製のワイヤーの使用を中止し、以降はニッケルを含有していないゴムメタル(Ti、Nb、Ta、Zr合金)製ワイヤーを使用したところアレルギー症状の発現はみられず、治療を継続、終了しました。

 

それでも症状が消失しないようならばインビザライン等のマウスピースタイプの矯正装置への変更を検討することになったと思います。

 

日常生活で金属アレルギー反応が生じた経験のある患者様に対する矯正治療前の対策とすれば、治療前に部分的に矯正装置を装着して1か月程経過を観察するということが考えられるでしょう。治療目的ではなく、あくまで金属アレルギー症状が発症するか否かの確認のために奥歯の目立たない場所にブラケットとワイヤーを装着します。発症した場合には即座に装置を撤去し、対応策を検討します。発症しない場合には矯正治療を継続して問題ないでしょう。
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