電話番号:04-2928-0050

HOME >  医院案内 >  ご質問とお答え >  インビザラインなどのマウスピース矯正で外科矯正ができないかというご質問

インビザラインなどのマウスピース矯正で外科矯正ができないかというご質問

患者様からのご質問
22歳女性です。昔から受け口で大人になるにつれ次第に症状が悪化しています。
数年前に大学病院に行った際、外科手術が必要で保険適用になると言われましたが、矯正器具は必ず表面で銀色でなければいけないと言われ、そうでないと保険適用外と言われました。
しかし、表側に目立つ器具をつけることにどうしても抵抗がありその後は全く行かず数年が経ちました。今回、保険適用できてプラスチックの目立たない器具を使える病院を探そうと思いご連絡しました。
また、インビザラインなど透明のマウスピースを使用する場合だと保険適用外だというのは知っていますが、30万円からとのことで、これに外科手術が加わるとどの程度の治療費になりますか?

当院からのお返事

>矯正器具は必ず表面で銀色でなければいけないと言われ

 

保険医療器具として認められているブラケットであれば金属ブラケットである必要はありません。当院では患者様のご希望に応じてセラミックブラケットを使用しています。ただ、保険診療による収入はセラミックブラケットでも金属ブラケットでも同じです。セラミックブラケットの価格はブラケット代として保険請求できる金額よりも高い(3~5倍です)ので、材料費の安価な銀色の矯正器具しか扱っていなくても仕方のない面はあると思います(保険点数が金属ブラケットを基準に設定されているものと思われます)。

 

>また、インビザラインなど透明のマウスピースを使用する場合だと保険適用外だというのは知っていますが、30万円からとのことで、これに外科手術が加わるといくらぐらいになるでしょうか?

 

顎変形症の外科手術に伴う矯正治療にインビザラインなどのマウスピースタイプの矯正装置を使用した場合、マウスピース矯正治療に対する保険点数が定められていないので、歯科医院は健康保険組合に治療費の請求を行うことができません。

健康保険は「定められた病気」に対して「定められた器具を使用」した場合に適用されます。これらは全て厚生労働省によって決められることですから歯科医師個人の判断でどうこうできる問題ではないのです。

基本的に健康保険というのは疾病を治癒させることが目的ですから、矯正治療や美容外科の分野はほとんどが健康保険の適用外ですし、厳しい保険財政を反映して高額医療の多くも適用外です。 (健康保険は、 1・働いている人たちが収入に応じて保険料を出し合い、これに事業主も負担して、医療費等を支給し、お互いに生活上の不安を少しでもなくすこと 2・疾病予防および健康づくり等の積極的な活動を推進し、健康の持続的確保を目的としている制度です。)

もし、自費診療でマウスピースを用いて矯正治療を行い、顎変形症の手術を保険診療で行った場合には混合診療となり歯科医師には保険医停止などの厳しい処分が下されることが予想されます。

混合診療の説明として虫歯の治療を取り上げてみます。虫歯の治療は1・歯を削る(虫歯を除去する)、2・詰め物をする、というのが一連の医療行為になります。この際に

歯を削る部分を保険診療で行い⇒保険適応の材料による詰め物で保険診療を行う(金属、プラスチックなど)

はOKですが 、

歯を削る部分を保険診療で行い⇒保険適応外の材料による詰め物で自費診療を行う(セラミックなど)

はダメです。

つまり、一連の医療行為について保険診療と自費診療を混合して治療してはいけないという決まりがあるのです(最近では一部混合診療が認められている医療行為もありますが限られます)。外科矯正治療は矯正治療と外科手術が一連の医療行為になりますので、マウスピース装置で矯正治療を行う場合には外科手術も自費診療になります。外科手術が自費診療でどれほどの費用が必要なのかは正直解りません。

私が外科手術を依頼している防衛医科大学校付属病院などは病院として一切の自費診療を行っていませんし、一般的な病院ではあまり行っていないと思います。大手の美容外科などでは自費診療で顎変形症の手術を行っているところもありますが200~300万円だったと記憶しています。保険適用ならその自己負担分は美容外科の10~20分の1程度ですから普通はそのような選択はしないのではないでしょうか。

 

また、顎変形症の外科手術を行う場合、少なくとも手術前後は表面の矯正装置を装着する必要があります。これは顎を離断するので、手足を骨折したときのギブスの代わりに顎間固定といって上下顎の表面の矯正装置を針金や輪ゴムで結び付けて固定するためです(通常1週間前後です。その間は口を開けることができないので流動食になります)。マウスピース装置ではこれができません。もちろん、口を閉じた状態で結ぶので裏側の矯正装置でも不可能です。 このような理由から外科矯正の場合にはどうしても表側の矯正装置を装着する期間が生じてしまうのです。

ご不明な点がございましたらご連絡ください。

 

 

 

*このページは実際に患者様からメールで頂いたご質問に対する当院のお返事を中心に記載しております。そのため、患者様からの質問内容については年齢、性別、文章の特徴等、Q&A形式で考えて問題ない範囲でデフォルメして記載しております。また、内容的にも理解が得られやすいよう私の方で適宜解説を追加・改変して記載しておりますので実際の遣り取りとはかなり異なることがございますのでご了承ください。