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第14回目:舌側矯正(裏側矯正)について(2)

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第14回目:舌側矯正(裏側矯正)について(2)

(このコラムは前回からの続きです)
1・しゃべりにくい
2・口内炎ができやすい
3・治療期間が長くかかる
4・唇側矯正に比較して治療精度が良くない
5・唇側矯正に比較して治療費が高い

それでは3,4,5はどうでしょうか?1,2に関しては歯の裏側に装置が着いている以上、仕方の無いこととも言える部分ですが、3,4,5に関しては実は本来、これらは全て医療側の努力で解決すべき問題なのです。

矯正歯科医は「治療期間が長くかかる」、「唇側矯正に比較して治療精度が良くない」、「治療費が高い」といった諸問題を解決するために行動する立場にあるのであって、現状が唇側矯正に比べて良くないから舌側矯正は良くないでは物事は進化しません。

舌側矯正装置が唇側矯正装置に比較して劣る部分があるなら、劣る部分を改良するための努力をするのが矯正専門医としての役目です。

それではなぜ治療期間が長くかかる、あるいは治療精度が良くないといわれるのでしょうか??

その前に「唇側矯正に比べて舌側矯正は精度が劣るから良くない」という論法の欠点をお話しましょう。

末期癌の患者の痛み止めにはモルヒネが使われます。これは末期癌の痛みにたいしてはバファリン程度の痛み止めではまるで効果が無いからです。それではバファリンはモルヒネに比べて良くない薬といえるのでしょうか??

良いか悪いかは対象となる疾患を想定して考えなければ意味をなさないのです。そういう意味で、「**という症状には舌側矯正よりも唇側矯正のほうが向いている」という論法なら理解ができますが十派一絡げに「舌側矯正は唇側矯正に比べて治療精度が劣るからお勧めしない」という論法は根本的に間違っているのです。

そうはいっても理論的には確かに多くの歯列不正に対して舌側矯正よりも唇側矯正のほうが有利なことは確かです。

簡単に説明するのはとても難しいのですが、主に以下の2点が重要です。
1・歯の回転中心と、力の作用点の位置関係
2・ブラケット間距離
(これを説明するのはしんどいので興味のある方は直接ご連絡ください)

ともかく歯の表と裏に装置を付ける違いがある以上避けて通れない上記の理由により、確かに同じ術者が治療すれば舌側矯正よりも唇側矯正の方が早く治療が終わることの方が多いでしょう。

ただ、問題なのは「どれくらい違うのか?」ということです。同じ症例を唇側矯正と舌側矯正で治療することは出来ませんので正確なことはわかりませんが、感覚的には2年に付き3~4ヶ月延びるかな・・・といったところです。比率にすると10%~20%余計に時間がかかるという程度でしょうか・・・。

例えばこの症例では治療に17ヶ月かかっていますが、唇側矯正で治療すれば15ヶ月位で終わったのかな??というところです。同じケースを唇側と舌側で2回治療することが出来ない以上、確かなことはわかりません。もっと長くかかった可能性だってあります。

続く

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矯正装置の種類:舌側矯正
舌側矯正での治療例1
舌側矯正での治療例2