電話番号:04-2928-0050

HOME >  Q&Aなど >  矯正歯科Q&A >  埋伏歯の治療も矯正歯科で行いますか?(矯正歯科Q&A32)

埋伏歯の治療も矯正歯科で行いますか?(矯正歯科Q&A32)

矯正歯科Q&A目次に戻る

埋伏歯を牽引するのも矯正歯科の範疇です

埋伏歯には完全埋伏と不完全埋伏があります。歯が完全に粘膜下に存在する場合を完全埋伏、歯の一部でも口腔内に露出していれば不完全埋伏といいます。
これらの埋伏歯を歯列内に配列することも矯正治療の範疇です。矯正歯科を受診される患者様の多くは審美的要求により来院されますが、歯が生えてこない埋伏歯や、補綴前矯正(差し歯などの補綴治療を行いやすくするように事前に矯正治療によって土台となる歯の傾斜などを補正すること)など、審美的要求がさほど強くない患者様もいらっしゃいます。
このため、埋伏歯を伴う矯正治療は部分的な治療を選択することが多くなるのも特徴の一つでしょうか。「前歯の凸凹は気にならないのでとにかく埋もれた歯だけはどうにかしてほしい」というご希望も多いのです。
患者様に「埋もれた歯を引っ張ります」とご説明すると、ごく短期間で一気に引っ張ってくるものとお考えになる患者様もいらっしゃるのですが、少しずつ(目安としては1か月に1mm程度)歯を動かすのは通常の矯正治療と何ら変わりはありません。埋伏歯の牽引が通常の矯正治療と異なるのは、移動対象となる歯の表面が口腔内に露出していないのでそのままでは矯正装置を装着することができないことです。このため、粘膜を切開したり、場合によっては歯槽骨を削って歯の表面を口腔内に露出させる必要が生じます(=開窓術。不完全埋伏の場合は不要なこともあります)。

実際の症例です


治療前


治療中


治療後

上のケースでは上顎左側犬歯が側切歯上方に埋伏しています。触診でも容易に存在場所が把握できる粘膜下の完全埋伏です。粘膜を切開して矯正装置を装着し、牽引しているところが真ん中の写真です。患者様が埋伏歯の治療だけをご希望されたためこの後、上顎に唇側矯正装置を装着し配列を終えました。写真ではわかりにくいですが下顎にも僅かに凸凹があったのでその治療もご希望される場合には下顎にも矯正装置を装着して治療を行うことになります。
この症例のように触診などで埋伏部位が判断できるケースは比較的容易ですが、骨膜下に完全埋伏しているようなケースでは歯科用CTを撮影することで埋伏歯の位置を正確に把握することができます。

別の症例です


治療前


治療中1


治療中2

治療前は画面左上に第二大臼歯が見えません。これは第二大臼歯が手前に傾斜していて萌出が困難であったからです。もし、患者様が埋伏歯の処置だけを希望されるならば最初の症例同様に粘膜を切開して矯正装置を装着して、、、という治療の手順になるのですがこの場合は患者様が上下顎歯列全体の矯正を希望されたいたことと、治療方針として小臼歯の抜歯を予定していたので治療中の自然萌出を期待し治療を開始しました。

 

中央の写真は治療が進み、第一大臼歯を手前に移動したことで第二大臼歯が自然萌出してきたところです。手前、かつ舌側に傾斜していますが、ようやく口腔内に萌出し、とにもかくにも矯正装置を装着するだけの歯の表面面積を確保することができました。
右端の写真は整直がかなり進んだところです。治療中の写真ではありますがかなり正常な位置関係に牽引することができています。全体矯正ですのでこの先も治療は続きますがここまでくれば問題ないでしょう。
矯正歯科Q&A目次に戻る