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ムーシールドの費用についてのご質問

患者様からのご質問

4歳の息子の矯正治療について質問です。今月から反対咬合の矯正治療のためムーシールドを使い始めました。 治療費が30万円なのですが、ムーシールドだけで反対咬合が治り他の装置を使用しない場合もあり得ますか?ムーシールドに30万円かかったとすると高い治療費だなと感じます。そんなものなのでしょうか。

当院からのお返事

ムーシールドだけで反対咬合が治る可能性ですが、当然ありえます。むしろ少ない矯正装置で治癒するのは医療としては最も好ましいことですからご子息様にとって最良の結果はムーシールドだけで反対咬合が治癒することともいえます。

ムーシールドだけで治癒しない場合には症状によって上顎前方牽引装置チンキャップリンガルアーチなど、他にも様々な矯正装置があるのでどれがご子息様の症状に適した矯正装置であるかの判断はできませんが、いずれにしてもムーシールド以外の矯正装置の使用を考慮することになると思います。ただ、これらはあくまで次善の策です。

費用については矯正治療は自費診療であるため地域やクリニックによって治療費がことなります。また、一般的に矯正治療費の大部分は「診断料」と「技術料」で占めていると考えていただくよりないのかな、と感じております。ご指摘の通り、「プラスチックの塊であるムーシールドが30万円」と考えると割高に感じるのは私も理解できます。一方で「ムーシールドによって患者様の反対咬合が治癒する可能性が高い」という判断を下せるようになるまでには相応の教育を受ける必要があります。つまり、相当な時間と経験を必要とするのも事実なのです。

お医者さんから処方される薬に例えれば幾ばくかはご理解頂けるでしょうか。歯科医師としてはあまり使いたくない言葉ではありますが「薬九層倍」というのがあります。薬の原価は非常に低く、売値は高いという意味です。処方された薬そのものについては確かにそのような側面があることを否定はしません。 風邪をひいて内科に行って抗生物質と解熱剤などの処方箋を書いてもらうと、内科で数千円支払い、薬局でさらに数千円を支払います。保険適応なら“医療費”としてはその3倍強を支払っていることになります。私は医療機関に勤めていますから処方された抗生物質と解熱剤の仕入れ原価は調べればすぐにわかります。正直、「高いな、、、」と感じます。仕入れ原価ですら高いと感じるのですから製造原価まで遡ればどのようなものであるかは言わずもがなです。 けれど、製薬会社は一つの新薬を生み出すまでに莫大な研究開発費を投じています。製品となった一つの薬の裏には数多の失敗作が存在し、それに関わる人件費などの経費もまた、新薬の価格に上乗せされているのです。

医療機関はいわゆる小売業とは本質的に異なる業種です。ムーシールドを店先に陳列していても誰も買ってくれないことからもそれは明らかだと思います。ほとんどの医療は「物質的な物としての価値」から判断すると非常に割高に感じるものではないでしょうか。医療の特殊性をご理解いただき、“物“としての価値ではなく、その“物“を使用した結果として得られるQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質) の向上に対して評価していただければと存じます。

*このページは実際に患者様からメールで頂いたご質問に対する当院のお返事を中心に記載しております。そのため、患者様からの質問内容については年齢、性別、文章の特徴等、Q&A形式で考えて問題ない範囲でデフォルメして記載しております。また、内容的にも理解が得られやすいよう私の方で適宜解説を追加・改変して記載しておりますので実際の遣り取りとはかなり異なることがございますのでご了承ください。