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インプラントアンカーについてのご質問


患者様からのご質問@
出っ歯(上顎前突)で悩んでいます。
前歯が傾いて出っ歯なのではなく、歯茎から出ているので手術も考えました。
でも、かみ合わせはほとんど問題ないのに完全に美容目的でそこまでの手術をする決断がどうしても出来ずに
ズルズルと何年も過ぎてしまいました。
そしてある時、インプラント矯正、それもA(注:商品名)というインプラントアンカーを使うと
抜歯矯正でかなり引っ込められると知りました。
アクイユ様で矯正する場合、もちろん診断もしてないのに気が早いのですが
Aというインプラントアンカーを使ってもらうこともできそうでしょうか?

インプラント矯正というのは抜歯した隙間に向かって前歯を引っ込める手助けをするのだと思うのですが
このAというのは他のインプラントアンカーよりどういう所が優れているのでしょうか?

当院からのお返事@

アクイユ矯正歯科クリニックの能村と申します。
Aインプラントですが、私自身も口蓋に植立するインプラントはAインプラントが最初でした。臨床上の欠点は私が現在主に使用しているインプラントアンカーと比較しても何もありません。とても良いインプラントアンカーです。
私がAインプラントを使わなくなった理由はあまりにもコストが掛かるからです。Aインプラントを主なインプラントアンカーとして使用していたのは5年程前のことです。Aインプラントは原価が当院の歯科矯正用インプラントに対する治療費の設定を遥かに超えていましたが、当時は類似品が無かったのでAインプラントを使用しておりました(当院は所沢市にあるためインプラントアンカーにAインプラントの原価を超えるような価格設定をするのが地域的に難しいのです)。

Aインプラントは製造メーカーが元々歯科の専業メーカーではなく、医科の手術用の針を作るメーカーが作成しています。当時は類似品を販売しているメーカーが他になかったためかなり高額でしたが、現在では歯科専業メーカーが同様な機能性を持つ製品を販売するようになり、今は当時の半額位で販売しているはずです(それでも高いのですけど)。

当院でのAインプラントですが、5セットほどありますので使用することは可能です。ただ、用途にもよりますが上顎前突の治療にAインプラントを選択する優位性は現在ではあまりないように感じます。治療効果として劣っているということではなくて、簡便性という意味において後発メーカーの商品の方が優れていると思うからです。そのためにAインプラントの在庫がずっとそのまま残っている状況です。

>このAインプラントという器具は他のインプラントアンカーよりどういう所が優れているのでしょうか?

率直に言うと、現在ではあまり利点は無いように思います。欠点もないですが。強いて言えばインプラント体に固定するのがネジ止めなので、このネジが馬鹿になると使えなくなる。構造が複雑過ぎてそれが却って口腔内で使うには足かせになっている点は否めないかもしれません。また、ある特定の移動様式(圧下など)に際してはAインプラントは他のインプラントアンカーよりも操作しやすいと思います。ただ、**様の症状であればAインプラントを使う優位性はあまりないのかもしれません。

ご不明な点がございましたらご連絡ください

患者様からのご質問A

こんばんは(^^)
ありがとうございます。
詳しい事情も教えてくださってとても参考になりました。

> ただ、用途にもよりますが上顎前突の治療にAインプラントを選択する優位性は現在ではあまりないように感じます。治療効果として劣っているということではなくて、簡便性という意味において後発メーカーの商品の方が優れていると思うからです。

そうだったんですね。
名前をよく聞くので、「素人の一つ覚え」で、いい物に違いない、これで治療すれば願いが叶う・・・
なんて思っていたのですが、今では十分に優れた代用品があるのですね。

参考にした相談サイトには
大幅な歯列遠心移動を達成することが目的なら、Aインプラントのようなプレート型アンカーが適していて
ただのスクリュー型アンカーでは力不足(?)のようなことが書かれていました。

これも必ずしも正しくはないのでしょうか?
能村先生が使っていらっしゃるインプラントはプレート型ですか。

自己判断で恐縮ですが、私の口元はガミーでもないので圧下などは必要ないと思います。
ただ、それほど傾いていないのに歯茎の部分がモコッと前突しています (T-T )

まるで脱脂綿でも詰めてるのかっていう感じなんです。
なので平行に引っ込めたいです。

美容外科の先生には「矯正は傾きメインで歯茎は下がらないから、そこ下げるならルフォー手術でしょ。歯体移動なんて理論だけで、現実は傾いた前歯しか見ない」なんて言われたこともあります。もちろん、もう手術は考えていませんし、歯体移動が理論だけなんて言うのは矯正のことを知らない先生だったのは今は分かっています。

そういう経緯もあり、上の前歯を平行に引っ込めるには
普通のスクリュー型アンカーよりも、Aインプラントが優れているのかな、と思っておりましたがその優位性もあまりなく、代用品で十分ということでしょうか?

当院からのお返事A

アクイユ矯正歯科クリニックの能村です。
要は前歯部を後退させるためのフックをインプラントから伸展させて設ければいいだけですから、プレート型でもスクリュー型でもなんでも構わないのです。歯列全体の遠心移動でも同じことです。それから、Aインプラントはスクリュー型のインプラントアンカーにプレートをネジ止めしたものですからスクリュー型のインプラントアンカーに分類されると思います(リンク先の先生の勘違い??)。プレート型のインプラントアンカーは手術が大掛かりになりますから現在ではほとんど使われていないと思いますし、プレート型のインプラントアンカーの外科手術を矯正歯科の外来で処置するのは困難です(口腔外科に依頼することになります)。

写真a
写真b
写真c


上の写真のaがAインプラント、bが私が屈曲したワイヤーを2本のインプラントアンカーに針金で結んで牽引用のフックを付与したもの、cが現在主に使っているもので、2本のインプラントアンカーにクリップのように挟んで使用するものです。

いずれも2本のインプラントアンカーを使用しています(Aインプラントは3本に見えますが、真ん中はプレートを固定するネジでインプラントの本数は2本です)。また、いずれも使用目的は前歯部を後退させることです。少なくともこのような歯の移動様式においてはAインプラントである必要性はないと思います。どれも目的はインプラントからフックを伸展させることですが、a,b,cの順で装置の装着は簡単になっています。

後方に牽引するだけならインプラントから直接牽引しても良さそうなものですが、そうすると後方への力に加えて中央および上方(インプラントが口蓋正中に植立されているため)への牽引力も発生してしまいます。これを避けるためにインプラントからフックを伸ばして後方へ水平的にも垂直的にもなるべく真っ直ぐ牽引します。

もう一つの方法として、大臼歯の歯と歯の間にインプラントを植立する方法もあります。


この場合にはフックを付与する必要はなく、直接インプラントから牽引することができます。ただ、大臼歯間の口蓋粘膜は厚いことが多く、例えば口蓋粘膜の厚みが5mmあると8mmの長さのインプラントを使用しても3mmしか骨に到達しないことになります。その分インプラントの長さを長くすればいいといえばそうですが、インプラントは歯科医院の院内で製作できるようなものではないので自ずと市販品の中から選択することになります。そうなると私の知る限りにおいては10mmが最も長い歯科矯正用インプラントアンカーです。また、骨の厚みとして口蓋正中のほうが大臼歯と大臼歯の間よりも厚みがあるのでインプラントが脱落しにくいのです。そのような理由で私は舌側矯正治療の場合、口蓋正中部にインプラントを植立することが多いです。

また、ご存じだとは思いますが、Aインプラントをはじめとした口蓋正中にインプラントを植立するのは主に舌側矯正装置と併用することを前提としています。唇側矯正装置で治療を行う場合にはアンカースクリューも唇側に植立することになります。

ご不明な点がございましたらご連絡ください。

患者様からのご質問B

こんばんは(^^)

画像まで用意してくださって、凄くわかりやすいです。
本当に本当に、ありがとうございました。
3枚とも透明のゴムで引っ張っているように見えます。逆に言えば、それさえできれば洒落た名前が付いてなくても大丈夫ということですね。
パッと見で私にはCが一番高価なように見えます (;^_^)
実際に画像を見ることで今までの思い込みやモヤモヤが吹き飛んだ気がします。
・口蓋正中部に付けるインプラントのほうが外れにくいこと。
・舌側矯正のほうが適していること。
も、よくわかりました。
1年ぐらいで終わるなら表側でもよかったのですが
抜歯矯正ですので2年は覚悟していますので、舌側にしたいと思っていました。

ちなみに矯正期間を短くするコルチコトミーについては能村先生はどのようにお考えですか?
もしやりたい場合、途中で口腔外科(?)に手術だけお願いすることもできるのでしょうか。

はじめは歯の健康に悪そうなので全く考えていなかったのですが
逆に、歯の健康に良い(矯正に伴う歯根吸収や歯肉退縮を防げる)と主張しているサイトもありました。

それが本当なら、期間は短くできるし良い事だらけで+20万程度の費用でしたら
やる価値あるのかも・・などとフト思いました。

こういう賛否両論あるものには慎重であるべきなんでしょうか。

当院からのお返事B

アクイユ矯正歯科クリニックの能村です。ご参考になったのであれば嬉しいです。
コルチコトミーについてですが、私自身の経験がありませんのであくまで未経験者としての認識としてお読みください。

1・コルチコトミーによる治療期間短縮は私が歯科医師になった20年前から既に歯科雑誌などでも報告されていたことです。
2・私は大学病院の矯正学教室に6年間在籍しておりましたが、その間、コルチコトミーによる矯正症例を見たことがありませんでした(医局員の誰も経験していないということです)。
3・私が直接知っている先生でコルチコトミーを積極的に行っているという話は聞いたことがありません。また、経験者のほうが稀というか、大学病院で1症例だけやってみたことがあるという先生が数名いる程度です。話は聞きましたが、だからといってコルチコトミーのメリットを強く勧められるということは無かったです。寧ろ、私が質問してもモゴモゴとした受け答えで話が進まなかった印象です。要するに大した意味は無かったということなのでしょう。

新しい製品が世間に受け入れられるためには
まず@有用であること、次にA費用対効果が成り立っていること、B認知されること、が必要だと思います。先のAインプラントを例にあげると@は間違いなく有用だったのですが、Aを成り立たせることがかなり難しく、Bに至る前により安価な競合商品が発売されて競争力を失いつつあるということになるのでしょうか。個人的見解ではコルチコトミーはB認知されること以外は専門家の間ですら成り立っていないと思います。そもそも、20年以上も経っているのです。さすがに認知くらいは進むものです。本当に有用ならばどんな困難があろうとも臨床に応用している先生がもっと多くいるはずです。

コルチコトミーに限ったことではないですが、20年以上も経って一般的に広まっていない医療技術がこれから見直されて花開く可能性があるのか?

という意味でコルチコトミーには否定的です。

>逆に、歯の健康に良い(矯正に伴う歯根吸収や歯肉退縮を防げる)と主張しているサイトもありました

コルチコトミーを行うにはフラップ手術(歯茎を切開すること)が必要です。組織にメスを入れれば瘢痕組織(傷跡)が残ります。歯肉は皮膚ほど目立ちませんが同じことです。健康な柔らかい組織に比べて硬い繊維で柔軟性に欠けます。これは皮膚の怪我をイメージしていただければ想像は容易ではないでしょうか?一回の手術ならそう目立たないかもしれません。でも、2回、3回と続けたらどうなるのかは明らかではないですか?私自身の矯正治療をするとしたらコルチコトミーは絶対にやらないです。

ご不明な点があればご連絡ください

患者様からのご質問C

能村先生
コルチコトミーのこと教えてくださってありがとうございます。
率直なお言葉で患者さんに本音を語ってくださる能村先生に
本当に感謝申し上げます。
比較的新しい技術かと思っていたのですが、もう20年も前からあるのですね。
新しいから矯正歯科と口腔外科(?)との融合がなかなか進んでいないのかなと
思い込んでいました・・・・
確かに本当に良い物であれば20年も時間があれば普及しているはずですね。
歯茎の傷跡のことも考えていませんでした。
やはり傷跡残るんですね。
個人的には30歳を過ぎての矯正なため
「成人矯正は歯茎が痩せてきやすい=ブラックトライアングルができやすい」
と言われていることを心配していて
コルチコトミーで少しでもリスクを減らせればいいなと考えていましたが
傷跡が怖いのでコルチコトミーはやめようと思います。









*このページは実際に患者様からメールで頂いたご質問に対する当院のお返事を中心に記載しております。そのため、患者様からの質問内容については年齢、性別、文章の特徴等、Q&A形式で考えて問題ない範囲でデフォルメして記載しております。また、内容的にも理解が得られやすいよう私の方で適宜解説を追加・改変して記載しておりますので実際の遣り取りとはかなり異なることがございますのでご了承ください。

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