保定装置(リテーナー)の種類についてのご質問|アクイユ矯正歯科クリニック(所沢市)|埼玉県新所沢駅の矯正歯科医院
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保定装置(リテーナー)の種類についてのご質問

患者様からのご質問

保定装置についてお尋ねしたいことがあります。歯列矯正について調べると、まず、ブラケットなどの矯正装置で歯を動かし、その後、保定装置(リテーナーというのでしょうか)で歯を固定させるということを知りました。このリテーナーにはいくつかタイプがあるそうですが、
①そちらの医院ではどのようなものを扱われているのでしょうか?
②リテーナーには別途料金がかかりますか?

当院からのお返事

リテーナーの件ですが、どんなリテーナーでも扱っているといいますか、一般的に歯科医院では歯型を取って、それを技工指示書とともに歯科技工所に送ることでリテーナーを作成してもらうことになりますから、患者様にご希望があればご要望に沿ったリテーナーを作成することは可能です。

特にご希望が無ければ当院では唇側矯正装置で治療した患者様には床装置タイプのリテーナー、舌側矯正装置やインビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)で治療した患者様にはマウスピースタイプのリテーナーを使用することが多いです。

理由は見えない矯正装置で治療した患者様に床装置タイプのリテーナー(針金が見えます)は使い難いからです。
当院ではリテーナーの費用は基本料金の中に含まれています。

保定装置(リテーナー)の種類について

保定装置にも様々な種類がありますが、それぞれの保定装置に長所短所があり、一概にどの保定装置が優れているとういようなことはありません。
また、歯科医院によって主に使用する保定装置の種類が異なることは普通だと思います。保定装置の性能にさほどの差がないとすればあとは先生の考え方だったり、継続性(今までその装置で上手くいってきたから不満を感じていない)などの問題ではないかと思います。

私はワイヤーを外した後はマウスピースタイプの保定装置でガチガチに固定するよりは比較的ルーズな床矯正タイプの保定装置が好みではありますが、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)や舌側矯正装置で治療した患者様には審美的観点からマウスピースタイプの保定装置を使用することが多いです。
また、歯の裏側を細いワイヤーで固定する場合もあります。虫歯になりやすいので使用頻度は低いですが、保定装置としての性能が劣っているというわけではありません。むしろ取り外しができないので患者様の協力度に左右されないという大きなメリットもあります。

主な保定装置(リテーナー)の種類を列挙すると

1・床装置タイプ
1-1)ホーレーリテーナー(Hawley retainer)
原型は3番~3番を覆う唇側線と両側の6番にCクラスプを設置します(下写真では7番に設置しています)。ベッグリテーナーと比較して前歯部の後戻り防止により主眼をおいています。派生型は様々ありますが、ベッグリテーナーと異なり歯列全体をワイヤーが覆うことはありません。長所としてはワイヤーが変形しにくいことと、口腔内で安定しやすいことがあげられます。短所としては咬合圧によるワイヤーの食い込みにより3-4間や6-7間に空隙が生じることがあります。

ホーレーリテーナー HawleyRetainer

1-2)ベッグリテーナー(Begg retainer)
唇側線が最後方臼歯まで延長し歯列全体を覆うような保定装置です。長所としては咬合面をワイヤーが通過しないので咬合圧によるワイヤーの食い込みによって空隙が生じることがありません。短所はワイヤーが長いために取り外しの際に変形しやすいことや装置が口腔内に安定しにくいことがあげられます。

ベッグリテーナー BeggRetainer

2・スプリングリテーナー
原型は犬歯から犬歯までを覆う、前歯部の後戻り防止に特化したリテーナーです。(下写真では口腔内での維持力を高めるために4番にもクラスプを設置しています)。
矯正治療では犬歯の後ろの歯を抜歯することが多いのですが、その部分を覆っていません。このため抜歯空隙の再発が生じやすく、抜歯症例の装置撤去直後にはあまり使用されません(装置撤去後、時間が経過して抜歯空隙の再発リスクが減少した場合には利用することもあります)。
主に非抜歯症例の保定装置として使用します。長所としては軟組織を覆う部分がないので発音への影響が小さいことがあげられます。短所は使用するワイヤーが細いために破折しやすいことがあげられます。
また、軽度な前歯部の後戻りの治療目的で使用されることもあります。但し、この場合には保定装置ではなく矯正装置として使用していることになりますので厳密には保定装置とはいえません。

スプリングリテーナー SpringRetainer

3・マウスピースリテーナー
石膏模型に軟化した半透明な樹脂シートを吸引(あるいは圧接)して作成する保定装置です。最大の長所は目立たないことです。また、歯だけを覆うので床装置タイプと比べて発音にも支障がでにくいです。短所は歯列全体を覆ってしまうので生体の持つ咬合の微調整が生じないことです。

4・Fixリテーナー
歯の裏側から針金で固定するタイプの保定装置です。スプリングリテーナーと同じく前歯部の後戻り防止に特化したリテーナーです。長所はこれまでご紹介してきた保定装置の中で最も違和感の少ない保定装置です。短所は虫歯になりやすいことです。

フィックスリテーナー FixRetainer

*このページは実際に患者様からメールで頂いたご質問に対する当院のお返事を中心に記載しております。そのため、患者様からの質問内容については年齢、性別、文章の特徴等、Q&A形式で考えて問題ない範囲でデフォルメして記載しております。また、内容的にも理解が得られやすいよう適宜追加して記載しておりますのでご了承ください。

【マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」について】

  • マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、日本国内では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認の医療機器です。材料については日本の薬事認証を得ております。
  • 米アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザライン・ジャパン社から入手しています。
  • 日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は複数存在します。
  • 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により、医療機器として認証を受けています。
  • 日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。