抜歯をしなくても出っ歯の治療は可能ですか?|アクイユ矯正歯科クリニック(所沢市)|埼玉県新所沢駅の矯正歯科医院
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抜歯をしなくても出っ歯の治療は可能ですか?

患者様からのご質問

今月から歯列矯正を行うことになりました。出っ歯の矯正なのですが、抜歯をしなくても可能なのでしょうか?10年前にも非抜歯で矯正を行っているので不安があります。自分としては今回は4本ほど抜歯してもらいたいのですが、要望すれば抜歯となりますか?

当院からのお返事

出っ歯(上顎前突)を治療するためには上顎の前歯を後退させるか、下顎の前歯を前進させるかのいずれかになります。また、口唇の突出感の程度とも関連してきます。

前歯を後退させるためには歯列内に空隙が必要です。歯列内の空隙を利用する方法は以下の3通りです。

1:既に歯列内に存在する空隙を利用する(すきっ歯、空隙歯列)
すきっ歯の場合、下図のように歯列内に存在する空隙を利用することで前歯部を後方に移動することができます(オレンジ線から赤線まで)
すっき歯による前歯部後退
2:抜歯をして歯列内に空隙を獲得する
抜歯によって得られた空隙を前歯部の後退に利用できます(赤線から青線まで)
抜歯による前歯部後退
3:奥歯を後退させて空隙を獲得する
歯列全体を後方に移動することになりますから下図のようになります(赤線から緑線まで)
臼歯後方移動による前歯部後退

1~3までを並べると下図のようになります。いずれも上顎前突の治療に利用される移動形式ですが、頻度としては抜歯が圧倒的に多く、抜歯>>>>>>すきっ歯>奥歯の後退、の順になります。また、前歯の後退量の大きさももこの順番になります。

10年前に治療を行っているということは少なくとも20代以上だと思われますので、おそらく3の治療方針は困難でしょう。12歳臼歯が萌出すると奥歯を後退させるのは萌出していない状況と比べて困難になります。そのため、3については考慮しないことにします。

ご質問者様が1の症状の場合にはその隙間を利用して出っ歯の治療を行うことが考えられます。これによってある程度は口唇の突出感の改善も期待できます。ただ、既に存在する空隙だけでは口唇の突出感の改善が不十分な場合には抜歯をしてさらに空隙を獲得し前歯を後退させる場合もあります。

現状で歯列内に空隙が無い状態で、抜歯をせずに出っ歯の治療を行うとしたら下顎の前歯を前進させることになると思います。
下図は下顎に凸凹(八重歯)がある場合の模式図です。下顎の凸凹を解消するために下顎歯列を前方に拡大することで出っ歯を改善しています。ただし、この移動形式は相対的なもので上顎前歯の後方移動を伴いませんから口唇の突出感が無い場合に選択される治療法です。もし、口唇の突出感があり、患者様がその改善を希望している場合には抜歯治療を選択することになります。

ご質問者様の場合、担当の先生にa:上顎の前歯を下げるのか、下の前歯を前に出して治療を行うのか b:(口唇の突出感が存在して、気にされているのであれば)口唇の突出感は改善されるのか否か、を確認されてみてはいかがでしょうか。特に口唇の突出感は審美的な問題であるため、人によって判断がばらつく傾向があります。ご質問者様の審美感覚と担当医の審美感覚がずれている可能性もありますので確認されることをお勧めします。

要望すれば抜歯となるか否かですが、普通は対応してくれると思います。ただ、稀に非抜歯治療を社是といいますか、頑なに拘る先生も存在しているのでその場合は困難でしょう。

*このページは実際に患者様からメールで頂いたご質問に対する当院のお返事を中心に記載しております。そのため、患者様からの質問内容については年齢、性別、文章の特徴等、Q&A形式で考えて問題ない範囲でデフォルメして記載しております。また、内容的にも理解が得られやすいよう適宜解説を追加・改変して記載しておりますので実際の遣り取りとはかなり異なることがございますのでご了承ください。