いくつかの矯正歯科で相談を受けたところ先生によって治療方針が違うのですが・・・(2)|アクイユ矯正歯科クリニック(所沢市)|埼玉県新所沢駅の矯正歯科医院
電話番号:04-2928-0050

HOME >  Q&Aなど >  歯科雑学コラム >  いくつかの矯正歯科で相談を受けたところ先生によって治療方針が違うのですが・・・(2)

いくつかの矯正歯科で相談を受けたところ先生によって治療方針が違うのですが・・・(2)

*歯科雑学コラム目次に戻る

いくつかの矯正歯科で相談を受けたところ先生によって治療方針が違うのですが・・・(2)

このコラムは前回からの続きです。まずは以下の写真をみてください。

Eラインに対して突出した口唇 口唇の突出感

Eラインに対して調和のとれた美しい口元

写真は同じ人なのですが、どちらがより美しいあるいは落ち着いていると感じますか?
人によって感じ方は違うと思いますが、おそらく下の写真のほうが美しいと感じる方のほうが多いと思います。
上段の写真は矯正治療前、下段の写真は矯正治療後の写真なのですが、では、どうして下段の写真の方が美しい、あるいは落ち着いて見えるのでしょう。
上下の写真で変化しているのは口元です。上段よりも下段の写真の方が口元が落ち着いて感じると思います。では、何を基準に我々はそう感じるのでしょうか?

ここに万人が納得できるような確固たる基準が存在すればいいのですが、美しさというのは感覚的なものですし、人によっても美しさの評価基準が異なります。これは人によって異性に対する好みが違うことを考えれば容易に理解していただけると思います。

もっとも、ある程度の目安になるものはあります。口元の美しさを評価する基準として、代表的なものはEラインと呼ばれる口唇の突出感を評価するための基準線です。顔を横から見たときに鼻とオトガイ(顎)の頂点を結んだラインのことをEラインといいます。

このEラインに上下口唇が重なるか僅かに内側に口唇がある状態が最も美しく見えるとされています。
上の写真をEラインを基準に評価してみてください。Eラインの有効性をご理解していただけるのではないでしょうか。

しかし、Eラインも万能ではないのです。評価基準の一つではありますが、鼻の高い低い、オトガイ(顎)が発達しているしていないなどの条件や、目鼻口の形などでも印象は変わってきますから、最終的には人間の感覚というものを加味して評価することになります。

似たような例を挙げるならば、太っているか否かをどう評価するか?というものがあります。Aさんのことをある人は太っていると感じても、世の中の人全員がそう感じるとは限りません。
では、太っているか否かは全て感覚的に判断するものなのか?といえばそんなことは無くて、肥満基準というものがあります。体脂肪率を基準(男性20%、女性30%以上が肥満)にしたり、BMI(体重÷身長mの二乗、25以上で肥満) という基準もあります。
ただ、これらの基準で肥満と判定されることと、世間的に「太っている」と思われるかはまた別問題です。足の長さや手の長さ、面長な顔か丸顔か、骨太な骨格か華奢な骨格かとか色々な要素が絡んでくるので、数字で評価するのは困難なのです。

矯正治療においても、美しさの絶対的な評価基準がないために、特にボーダーラインといえるようなケースにおいては歯科医師によって治療方針が違うことが出てきてしまうのです。
だからといって、どの先生が正解であるとか間違っているというわけではないこともご理解いただきたいと思います。
患者様としては「どの先生が正しいのか?」という○か×かという判断で医院選びをするのではなく、歯科医師にも「考え方・感じ方に差があること」をご理解いただいたうえで、患者様ご自身の求める治療と最も感性の近い先生を探すようにすれば、自分に合った矯正歯科医院を見つけることが出来ると思います。

治療の目安

治療内容
矯正装置を通じて歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯並びと噛み合わせを治します。
一般的な治療費総額の目安(自費)
大人 唇側矯正治療 約850,000円(税込)
治療期間・回数
矯正 2年前後・1回/月 保定 2年前後・2~4回/年
リスク、副作用
    • 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
    • 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
    • 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
    • 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
    • リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合は、後戻りすることがあります。

NEXT:歯列矯正治療中の歯磨きについて(1)

*歯科雑学コラム目次に戻る