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マウスピース型矯正装置「アソアライナー」と「インビザライン」の違い(2)

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マウスピース型矯正装置「アソアライナー」と「インビザライン」の違い(2)

前回の続きになります。今回はインビザラインの製造過程から説明します。2017年以降、アソアライナーの製造工程がデジタル化されてからは基本的な製造方法は同じになりました。

1.歯型を採る

インビザライン シリコン印象

2.コンピューター断層撮影(CT)システムで歯型を読み込み、歯の移動シミュレーションを行う

インビザライン クリンチェック

3.歯科医師による移動形式のチェック

4.歯の移動スケジュールに従い、レーザーリソグラフ技術を用い必要な数の光造形モデルを製作する

インビザライン 樹脂模型

5.それぞれの光造形モデル上でアライナーを製作する

インビザライン パッケージ

6.口腔内での調整

7.2週間毎に順次新しいアライナーに交換しながら治療を進めます

インビザライン 装着

インビザラインは製造するアライナー数に制限がないため治療に必要な全てのアライナーが治療開始時点で既に出来上がっています。

前回のコラムでインビザラインには「適用範囲に制限がない」ことと「一回の歯型採りで製作可能なアライナー数の制限がない」ことに触れました。

ではどのような症例でもインビザラインで治療が可能なのかというとそういうことはありません。
例えば先ほどの移動シミュレーションには製造元からのコメントが記載されています。下の赤枠の部分です。

インビザライン アライナー社コメント

どのようなことが記載されているかというと
「前歯部の適切なレベリングのため、この症例はいくつかの歯牙に対し挺出が必要となっております。挺出は特に予測実現性の低い動きであり、臨床的には移動が生じない可能性がございます。」
「オーバーバイト改善の為、上顎前歯部において予測実現性の低い圧下が必要となりました。この移動は臨床的に生じない可能性があり、達成には補助装置が必要となる場合がございます。」
「大きな歯牙移動はアライナー単独では予測実現性が低いとされております。クリンチェック上では移動しておりますが、臨床的には移動が生じない可能性がございます。」
などです。

インビザラインは製造元から一律の適応基準は示されていませんが、苦手な歯の移動様式があり、それを歯科医師が把握しておかないとアライナーは完成しても治療計画通りに歯が動かないということが起こりうるのです。
とりわけ抜歯症例においては歯の移動量が大きくなりますからインビザラインの苦手な移動形式が多く含まれる可能性が高くなります。一方で非抜歯症例の場合には苦手な移動形式が含まれる可能性は低くなります。

インビザラインが日本に導入されたのは2006年です。かれこれ15年以上の歳月が過ぎています。
このページをご覧になっている方は既に何軒もの矯正歯科医院のHPをご覧になっていると思いますがインビザラインだけを治療手段としているクリニックは少数だと思います。ガラケーが10年ほどでスマホに入れ替わったように、15年も経てばより良いものにとって代わるのが普通だと思います。
そういう意味でインビザラインは今のところは唇側矯正装置や舌側矯正装置などを完全に代替することはできていない、というのが実感です。

(参考) Q&A14:マウスピース型矯正装置「インビザライン」ができるまでにどれくらい時間がかかりますか?

治療の目安

治療内容
矯正装置を通じて歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯並びと噛み合わせを治します。
一般的な治療費総額の目安(自費)
マウスピース型矯正治療 片顎約420,000円(税込)・両顎約870,000円(税込)
治療期間・回数
矯正 1~2年前後・1回/2~3か月 保定 2年前後
リスク、副作用
  • 歯みがきが不完全なまま長時間マウスピースを装着すると虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
  • 初めてマウスピースを装着した時や取りかえた後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
  • 小児や骨格性要因を含む症例には適さず、精密な歯の移動は原則として困難で満足な結果が得られない場合があります。
  • 適切な装着時間を守らないと歯が動かず、治療期間も延長します。
  • 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
  • リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合は、後戻りすることがあります。

【マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」について】

  • マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、日本国内では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認の医療機器です。材料については日本の薬事認証を得ております。
  • 米アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザライン・ジャパン社から入手しています。
  • 日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は複数存在します。
  • 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により、医療機器として認証を受けています。
  • 日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

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