舌側矯正(裏側の矯正)|アクイユ矯正歯科クリニック(所沢市)|埼玉県新所沢駅の矯正歯科医院
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舌側矯正
(裏側の矯正)

舌側矯正とは

舌側矯正:歯の裏側に付けるため、誰からも気づかれにくい矯正装置です

イラスト

舌側矯正は歯の裏側に着けるため、正面からは装置が見えません。従って、装置が気になって治療を躊躇していた方にはお勧めの矯正治療法です。
唇側矯正装置と比べると舌への違和感が強いという欠点がありましたが、最近の舌側矯正ブラケットはかなり小さくなり、患者様の違和感は相当に軽減されました。また、治療期間が長いとも言われていましたが、感覚的にはそれほど大差はなくなってきており、唇側矯正と比べて20%くらい長い程度かと思います。

アクイユ矯正歯科クリニックでは、舌側矯正治療を積極的に行っています。患者様が「矯正装置が見えないほうがいい」と思うのは当たり前のことで、それに応えるのが矯正歯科専門医院の務めと考えています。

舌側矯正で使う矯正装置

舌側矯正装置の種類

舌側矯正装置(リンガルブラケット矯正装置)はいくつかの種類があります。当院では舌側矯正装置での治療は20○○年より行っており、さまざまな装置を使用してきていますが、現在はカスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(インコグニト)を標準仕様としています。

舌側矯正の治療プラン

舌側矯正には2種類の治療プランがあります。

1つ目は、上下ともに歯の裏側に矯正装置を付ける「フルリンガル」とも呼ばれる方法です。こちらは正面からは全く矯正装置が見えないため、矯正治療の見た目に関するストレスは感じないのではないかと思います。
右の写真は矯正治療中の患者さんですが、普通にしていると全く気付かれません。

2つ目は、上の歯は裏側に装置を着け、下の歯は表側に装置を着ける「ハーフリンガル」と呼ばれる方法です。目立つ上の歯は装置が見えず、普段は下唇で隠れる下の歯のみ装置が見えます。ハーフリンガルのメリットは、装置が舌に当たる違和感や滑舌への影響が少ないことと、唇側矯正に比べて割高となる舌側矯正の費用を抑えられる点です。

カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置「インコグニト」

精度の高いカスタムメイドの舌側矯正装置

舌側矯正装置「インコグニト」は、より精度の高い裏側の矯正治療を行うことができるため、当院では主にこの装置を選択しています。

インコグニトは、全ての製作工程がコンピュータシミュレーションを用いて精密に行われ、患者様毎に完全オーダーメイドで製作される舌側矯正装置です。工場はドイツにあり、製造は3Mユニテック(住友スリーエムの系列会社)が行っています。

ブラケットはもちろん、ワイヤーまで患者様に合わせてカスタムメイドされるため、患者様の歯の形態にジャストフィットした装置で、従来型の舌側矯正装置と比べて装着時の違和感がとても少なくなっています。
また、従来の舌側矯正装置と比較して、治療精度の向上、治療期間の短縮、診療時間の短縮を可能にしています。

インコグニトの製造過程

インコグニトシステムは、CAD/CAMを用いて一人一人の歯の裏側の形態に合せてブラケットを設計し、ワイヤーはベンディングロボットによりカスタマイズされたものが作製されます。

セットアップ模型

セットアップ模型

シリコン印象をドイツの工場に送り、それをもとに作られた石膏模型から治療セットアップが作製されます。

ブラケットデザイン1

ブラケットデザイン1

CAD/CAM技術を用いて、歯面に適合するブラケットが設計されます。従来の既成の装置とは異なり、奥歯に被せるクラウンのようにぴったりフィットした装置が出来上がります。

ブラケットデザイン2

ブラケットデザイン2

インコグニトのブラケットは、口腔内の違和感に配慮して限界まで薄く作製されていますが、歯面をカバーする面積が広いため装置が外れるトラブルも少なくなっています。また、歯面を覆う面積が広いことで、汚れからも歯を保護しています。

ワイヤーデザイン

ワイヤーデザイン

インコグニトのワイヤーは舌の可動域が狭くならないよう設計されており、患者様の違和感・ストレスの軽減、発音障害の抑制を図っています。

ブラケット鋳造

ブラケット鋳造

素材は、金属アレルギーが発生しにくい金合金を使用しています。

ワイヤー屈曲

ワイヤー屈曲

CAD/CAM技術で設計されたアーチワイヤーは、ワイヤーベンディングロボットによってカーブやひねりが付けられます。

インコグニトのメリット

カスタムメイド型舌側矯正装置「インコグニト」は、従来型の舌側矯正装置と比べると以下のメリットが挙げられます。

美しい仕上がり

ブラケットは患者様の歯の形にジャスフィットして作られ、ワイヤーもロボットによって歯列形態にあわせて曲げられるため、仕上がりが綺麗です。

装着時の違和感が少ない

非常に薄いブラケットのため、患者様の違和感が少ないです。

装置の脱落が少ない

接着面積が大きいので、装置が脱落するケースが大変少ないです。

毎回の治療時間が短い

ロボットによりワイヤーが曲げられた状態で納品されるので、治療毎にワイヤーを曲げる必要が無く、毎回の治療時間が短くて済みます。

舌側矯正(裏側の矯正)Q&A

舌側矯正装置で矯正治療を行う場合の通院頻度はどのくらいですか?

矯正治療期間中は、月に1回の通院になります。毎回の治療時間は40分程度で、唇側矯正よりも少し長めになります。
<処置内容:歯のクリーニング→ワイヤーの調整→フッ素塗布(ご希望に応じて)>

保定期間中の通院頻度は、3~4ヶ月毎の通院になります。毎回の治療時間は20分程度です。
<処置内容:歯のクリーニング→リテーナーの洗浄→リテーナーの調整>

矯正治療中の痛みが心配です。

矯正治療の痛みは、大別して「炎症反応に伴う痛み」と「機械的刺激に伴う痛み」に分類されます。

歯の移動に伴う炎症反応に起因する痛みは、初めて矯正装置を装着した時が最も痛みが大きく、3~5日で次第に弱まってきます。また、ワイヤー調整をした日の翌日も、初めて着けた時ほどではありませんが、痛みが伴います。痛みについては個人差も大きく、中には全く痛みを訴えない患者様もいます。
ただし、これは矯正治療によって歯を動かす以上避けて通れないことです。炎症反応が生じなければ歯槽骨の代謝は起こらず歯は動きません。
対応策としては、炎症を抑える消炎鎮痛剤の服用が効果的です。また、柔らかいゴム状のマウスピースを装着し、強く咬むことで疼痛に対する閾値を一時的に上昇させ、疼痛を感じにくくする方法などもあります。

機械的刺激による痛みとは、舌側矯正装置の場合は主にブラケットやワイヤーが舌に当たる痛みをいいます。
これについては、矯正用ワックスやシリコンで患部に隣接した矯正装置を覆うなど対処の仕方はいろいろあります。機械的刺激によってできてしまった口内炎は、当院設置の炭酸ガスレーザーを照射すると完治までに要する期間が短くなりますので、是非ご相談ください。

舌側矯正のデメリットはどのようなことがありますか?

舌側矯正のデメリットとして、一般的には以下のようなことが挙げられます。

  1. しゃべりにくい
  2. 口内炎ができやすい
  3. 治療期間が長くかかる
  4. 唇側矯正と比較して治療精度が良くない
  5. 唇側矯正に比較して治療費が高い

1に関しては、舌を歯の裏側にあてて発音するサ行・タ行・ラ行などの言葉が一時的に発音しにくくなることがありますが、1か月ほどで大半の方は慣れてきます。

2に関しては、舌側矯正装置の場合、口内炎の発生する部位が舌なので、できた場合の痛みの程度は頬粘膜に比較して強いかもしれませんが、あまり発生頻度は高くありません。発生頻度は低いけれどできた場合の痛みが唇側矯正に比べて強いので強調されている面があるように思います。

3に関しては、同じ症例を唇側矯正と舌側矯正で治療することはできないため正確なことはわかりませんが、感覚的には舌側矯正のほうが10~20%余計に時間がかかる程度かと思います。

4に関しては、装置の改良などが進み、現実的にはほとんど唇側矯正と遜色ないレベルになっています。症状によっては唇側矯正よりも舌側矯正の方が適していると感じることも少なくありません。

5に関しては、舌側矯正用の装置自体が唇側矯正の装置よりも高価であること、技工費用が余分にかかること、診療毎の治療時間が唇側矯正よりもかかることなどが理由で治療費が高くなっています。

こちらに関しては、歯科雑学コラムの中で詳しく説明していますので、ご覧ください。

舌側矯正(歯の裏側の矯正)について(1)
舌側矯正(歯の裏側の矯正)について(2)
舌側矯正(歯の裏側の矯正)について(3)

矯正治療中のトラブル対処法について教えてください。

まずはお電話でご相談ください。休診日の場合は、以下の対処法を参考にしてください。

  1. 装置が外れた場合外れた部位が一番奥の歯でない場合は、そのままの状態で、なるべく近い日にちでご来院ください。
    外れた部位が一番奥の歯で、来院日までそのままの状態でいられない場合(痛みがあったりどうしても気になる場合など)は、小さめのペンチのようなものでワイヤーごと切っていただいて構いませんが、舌側矯正装置の場合には装置を再利用しますので次回来院日にご持参ください。
  2. 奥歯のワイヤーが刺さって痛い場合装置装着の際にお渡ししたワックスやギシグーで当該部位を覆ってみてください。多くの場合、我慢できないほどの痛みではなくなると思いますので来院可能な日時を選んでご来院ください。
    また、小さめのペンチで切っていただいても構わないのですが、一番奥なのでご自身で切るのは少々難しいかもしれません。
  3. 矯正治療開始時の痛みがある場合矯正治療中は歯の移動に伴い歯周組織に炎症が生じるため、個人差はありますが痛みを感じます。炎症に伴う痛みですので、消炎鎮痛剤が効果的です。装置装着時にお渡しした痛み止めや市販の痛み止めを服用してください。鎮痛剤を服用しなくても1週間ほどで徐々に痛みは緩和されます。

矯正治療中に虫歯にならないか心配です。

歯の裏側は自浄域といって口腔内でプラークが付着しにくい部分であり、虫歯になりにくいとされていますが、やはり歯磨きは大切です。歯の表側は歯ブラシを真横に当てて数歯を同時に磨くこともできますが、歯の裏側は歯ブラシを斜めから当てることしかできないのでどうしても1歯ずつしか磨けません。こちらのページに舌側矯正治療中の歯磨きについて詳しく説明していますので、参考にしてください。
矯正治療中の歯磨きについて(3)~舌側矯正治療中の歯磨き

また、当院では治療毎に専用器具によるクリーニングや歯石除去を無料で行っています。
矯正治療中はどうしてもブラケット周辺部を歯ブラシだけできれいに清掃するのは難しいのですが、毎回の通院時に、炭酸カルシウムなどの粒子を高圧の空気と水で吹き付けて徹底的にクリーニングすることで、歯の着色はきれいに取れ、細部のプラークまで除去することができます。歯石の沈着が認められれば、超音波スケーラーで歯石除去も行います。
当院で治療している患者様が矯正治療を原因とする虫歯になったことはほとんどなく、少なくとも当院での治療中はクリーニングや歯石除去の点で不満を感じることはないと思います。

※上記Q&Aは以下のページに詳しく掲載しています。他にもさまざまな矯正治療に関するQ&Aや情報を載せていますので、是非ご覧ください。

舌側矯正の治療例

ハーフリンガルの治療例

【カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置「インコグニト」について】

  • カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置「インコグニト」は医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品です。材料については日本の薬事認証を得ております。
  • 米3M unitek社の製品の商標で、3Mジャパンから入手しています。
  • 日本国内にも医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は存在します。
  • 世界 90 か国以上で採用され、ヨーロッパでのシェアは 60%以上です(2019 年時点)。これらの国において重篤な副作用の報告はありません。
  • 日本では完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

【舌側矯正の限定解除】

  1. 治療内容

    矯正装置を通じて歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯並びと噛み合わせを治します。

  2. 一般的な治療費総額の目安(自費)

    大人 舌側矯正治療 約1200,000~1400,000円(税込)
    ※矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)となります。

  3. 治療期間・回数

    矯正 2年前後・通院回数24回前後(1回/月) 保定 2年前後・通院回数4~8回

  4. リスク、副作用

    • 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
    • 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
    • また、治療当初は装置が舌にあたり、発音のしづらさや食べづらさなど感じることがあります。
    • 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
    • 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
    • リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合は、後戻りすることがあります。